私たちの国・日本には、古来より連綿と受け継がれてきた独自の霊能術・霊媒術があります。それらの霊能力を有する人を広義に霊能者あるいは霊媒師と呼び、伝統として守り続けてきました。基本的には民間伝承であり、全国的に知られると言うよりは、たとえば陸奥のイタコ、沖縄のユタ、奄美諸島のノロなど、各地域内でのみ知られ受け継がれてきたケースが多いことが特長とも言えます。
こちらでは、そんな日本独自の霊能術・霊媒術を受け継いだ存在についてご紹介していきます。
第2回 日本の伝統霊媒師~ユタについて~
■民間信仰を支えるユタ
みなさんはユタというものをご存知でしょうか?ユタというのは、沖縄や奄美大島の伝統霊媒師(シャーマン)のことです。神や霊の声を聞くことができるのです。沖縄・奄美大島には、同じようにノロという霊媒師もいるのですが、ノロが村落や共同体などの祭祀を司るのに対し、ユタは村落の中でも個人の運気や吉凶の判断、病気平癒・厄除けの祈祷などを担っています。ユタ、ノロともに、沖縄や奄美地方の民間信仰を大きく支えている伝統的な霊媒師なのです。電話占い浄恵にも、この沖縄のユタの血を引き、今は沖縄を出ている霊能者も在籍しています。
■ユタになる宿命
ユタの場合、生まれながらにその力を備えています。ユタの人たちは、ユタになる宿命を背負い生まれてきているのです。ユタの多くは女性ですが、男性も少数存在しています。ユタは神霊・死霊・聖霊など、神や霊界など、沖縄に存在する超自然なものと交信ができる選ばれし者であるため、生まれながらにその資質を持っています。
神と交信をすることができるユタですから、ユタになる時には神もしくは神の使者からお告げを受けます。その前に、幻覚症状を伴った無意識の行動を取るようになるのです。その様はまるで夢遊病者のよう。それをカミダーリィというのですが、カミダーリィを繰り返しているうちに、幻覚の中で神や神の使者からのお告げを受けるのです。このカミダーリィを受けて、はじめてユタになることを認められます。このカミダーリィに気づかなかったり、無視してしまうと、神や神の使者から催促(セイジュク)を受けることに。この催促は心身にかなりの苦痛を与えるもの。神に選ばれし者だからこそ与えられる試練なのでしょう。
■ユタになるために
沖縄の神からお告げを受けたからといって、すぐにユタになれるわけではありません。すでにユタとなっている者の巫家(ユタヌヤー)に赴き、ユタの判断(ハンジ)を受けなければいけません。ユタに御願(ウグワン)をし、ユタになるための手ほどきを受けます。イタコの場合などは一人に師事するようですが、ユタの場合は何人ものユタのもとを訪れ巫法を覚えていくのです。ユタに帯同し聖地を巡回。そして線香(ウコウ)のお供えの仕方から巫儀の導入部にあたる御意趣(グイス)の時に唱える言葉を覚えることをします。こうして巫家を訪ねながら神事を行ない、各地の聖地を回っていくのです。 そうしていくうちに、噂を聞いた家人から巫儀をお願いされるようになっていきます。力があればどんどんとその数も増えていき、一人前となっていくのです。霊的能力を備え、人々の救済ができるようになった状態のことを「道明け」というのですが、すべての人が道明けできるわけではありません。それほど、一人前のユタになることが困難であるということなのです。
■ユタができること
神と人間との橋渡しをすることができるユタ。実際にはどのようなことができるのか、実際にユタとして活動していた浄恵の霊能者の話を元に、みなさんにご紹介しましょう。
まずは運気を占ったり、先行きを判断することができます。ですから、新年になった時にその年の運気を託宣したり、結婚の吉兆、また起業や新築、転職などの先行きなどを占うことができます。何か気がかりなもの、不吉なものの予兆などを人々に告げることも。これらはいわゆる予知能力のようなものです。また、健康上の問題が起きた時、その原因を正す方法を伝授することもあります。
その他に、死者の供養をするという大事な役目も担っています。それだけではなく、悪霊や邪霊を祓うための呪法を行なうことも可能です。供養、除霊の他にも、祈祷を行なうことも。無事を願う、良きことが起きるよう祈祷するのです。
神に選ばれしユタ。長きにわたり人々の間で信仰されてきたということは、それだけ多くの人たちを救ってきた証拠なのではないでしょうか。浄恵の霊能者の中にも、ユタの血を引いている者がいます。もし、貴女が神の声を聞きたいのであれば、ユタの血を引く霊能者に鑑定をしてもらうのも良いかもしれません。